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映画「翔んで埼玉」―やりたい放題のあらすじや登場人物、成功要因を解説!

話題の映画「翔んで埼玉」は、奇妙でパワフルな一体感を巻き起こす映画だった。

今回は、そのストーリー、魅力、学びを整理していきたい。

「翔んで埼玉」あらすじ

「埼玉県民が東京都民に迫害を受け、身を潜めて暮らしている」
という設定の(仮想)日本国。

物語の舞台は、東京のトップ高校である「白鵬堂学院」。

そこでは、生徒の「都民度」によってクラス分けがなされており、
青山や赤坂を頂点とした「居住地カースト」が敷かれている。

そこの頂点に立つ生徒会長「壇ノ浦百美(二階堂ふみ)」は
アメリカ帰りの転校生「麻実麗(GACKT)」と出会う。

はじめは敵対するも、優秀なお互いに惹かれ合っていく二人だが、
実はとんでもない秘密があった。

麗は埼玉県民だったのだ。

東京都民と埼玉県民は交じり合えない運命なのか。

百美と麗は引き裂かれ、ついには千葉県勢も巻き込んだ大きな戦いが
勃発する中、二人は、埼玉県民の運命はどうなるのか。

花男と、帝一の國と、ロミオとジュリエットと、そこら辺をミックスしたような設定である。

小ネタも含めてやりたい放題感が始終あふれていた(誉め言葉)。

主要登場人物

壇ノ浦百美(二階堂ふみ)

https://twitter.com/m_tondesaitama/status/1098836176876630016

東京屈指の名門、白鵬堂学院の生徒会長。
東京都知事の息子というステータスも相まって、学園のカーストの
頂点に立つ。

また、埼玉県民をゴキブリかのような扱いで虐げている。

転校してきた麻美麗を懐柔しようとし、失敗してからは目の敵に。

その後は、麗に強く惹かれていき、ついには埼玉入りに向かうが・・。

名台詞は「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ!」

麻実麗(GACKT)

https://twitter.com/m_tondesaitama/status/1098754136131100672

アメリカから 白鵬堂学院に転校してきた美形の男子生徒。

百美をも上回る圧倒的都会度で学園を騒然とさせるが、
その裏向きの姿は埼玉県の地主の息子であり、
「埼玉解放戦線」のメンバー。

ちなみにGACKT様は最初にこの役のオファーが来た時に、
「高校生」という設定だと聞き、「自分の年齢でやるのは無理がある」

ソッコー断ったらしい。

ただし作品自体が無理の塊だったため依頼を受けたとのこと。

阿久津翔(伊勢谷友介)

映画のオリジナルキャラクターであり、原作には登場しない。

百美の父親であり東京都知事の壇ノ浦建造邸に仕える、優秀な執事。

これ以上は映画を観てのお楽しみ。

GACKTと伊勢谷友介の共演は目にやさしい。

埼玉デューク(京本政樹)

https://twitter.com/m_tondesaitama/status/1098451891657162753

伝説の埼玉県人。

東京で虐げられていた埼玉県人を集めてクーデターを
密かに企てていたが、何者かの妨害にあって行方不明になっている。

GACKTとは初対面であり、GACKTが京本の楽屋に挨拶に行った際に
「やっと会えたね!僕ら同じジャンルだよね」と声をかけたという。

鑑賞中の映画館の様子

映画館は頻繁に笑いが起きていた。

この感覚・・どこかで・・・と思ったが、「カメラを止めるな」以来の
一体感だ(案外直近)。

ただ、「翔んで埼玉」の場合は「笑いが起きるタイミング」が、
これまで見た映画と比べてかなり特徴的だった。

純粋に笑えるシーンや、あるあるネタとして完成度が高いシーンで
笑いが起きるのは分かる。

しかしそれだけでなく、

「今、単語出しただけだよね?」「まだオチ言ってないよね?」

のようなところでも笑いが生まれるのだ。

こ、こんなの反則じゃないか。

何をやっても正義。

考えてみると、これは「翔んで埼玉」という映画が「愛あるイジリ」の条件
クリアしたことで、非常に強いコンテンツとなったからこその現象なのだと気づいた。

ということで、後半からは、この映画の成功要因である「愛あるイジリ」と
その強さについてまとめていきたい。

翔んで埼玉の「愛あるイジリ」とは

この映画の根底にある「愛あるイジリ」とは、下記の要素を
満たしてこそはじめて成立するものだ。

①コンテキスト(文脈)が共有されている

②誰も傷つかない

①の「文脈が共有されている」については、一言でいえば
内輪ネタ暗黙の了解としてルールが出来上がっていること。

暗黙の了解が出来ていることで、相手の発言内容についての是非は
さほど重要視されず、 「お決まりのやり取りをすること」そのものが面白い、
という現象が生まれるのだ。

多少のネットリテラシーは必要かもしれないが、日本人なら
「埼玉」が持つ焦燥感開き直り感、そしてグンマ―の
有無を言わさぬコンテンツ力はすでに植え付けられているだろう。

なんせ、埼玉への「愛あるイジリ」を全国区にしたのはあのタモリさんらしい。

1980年代の竹の子族を指して「ださいたま」というパワーワードを
生み出し、全国放送で連呼したことで火が付いたそうだ。

この「翔んで埼玉」の元となった漫画も1980年代のもの。

さいたまイジリは歴史が深く、そういう意味で今回は
「文脈が共有されている」テーマだったといえる。

②の誰も傷つけないについては非常に重要で、①で生じた内輪ネタが
誰かしら(イジられた対象)を傷つけるものでは、「愛あるイジリ」にはならない。

例えば、お決まりのイジリが発生した際に、 いじられる対象が実は嫌がっていた
という場合は、「愛のあるイジリ」ではなく集団によるイジメだ。

この映画も、仮に埼玉県民が著しく気分を害すものだった場合、
そこに相互の愛はなくなり、もっと物議を醸しだしていたはず。

ただしTwitterでの反応を見る限り、好意的な反応が目立っているようだ。

https://twitter.com/po___________po/status/1109757855333138432

キチンと愛あるイジリが成立した映画という訳である。

勿論、この映画はイジリだけでなくちゃんとストーリーも面白いし、
「出身有名人バトル」など小ネタも随所に効いていることも伝えておきたい。

翔んで埼玉に学ぶ

この愛あるイジリが成立すると何が強いというと、細かい仕組みや説明をカットしても
強力なコンテンツとして成り立つことなのだ。

文脈が共有されているから理屈はいらないし、誰も傷つけないから見た人は笑える。

しかも不特定多数の人を巻き込み、盛り上がりを拡大できる。

ある種の反則的な強さを持つコンテンツなのだ。

埼玉が東京に反逆する。グンマも出るよ!

なんて説明しても、前提の文脈共有や理解がなければ
面白さのニュアンスすら伝わらないだろう。

「は?俺らをバカにしてるの?」で終わりである。

弱みを逆にブランディングに使い、「愛あるイジリ」を生み、
そしてコンテンツに昇華する。

それが生みだすものは強いな・・と考えさせられた。

僕も、この「翔んで埼玉」から学んだことを活かして、
抱え込まずに弱点をアウトプットをしていこう。

そして、コンテンツ化してしまおう。

自分の弱点をさらけ出せる人って、説明抜きに周りが
活かし方をわかってるし、逆に仕事で活躍している印象だし。

ということで、明日からは僕も職場ではプライドを捨てて
ゴリゴリの自己ブランディングをし、愛され狙いでいきたいと思う。

まずは声に出していくところから、イメージを固めるぞ。

「埼玉出身なので早退します」

「あ、やってないです。埼玉出身なので」

・・・やり方は要検討したい。

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それでは、引き続きよろしくお願いします。

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しいらけい
パラキャリ志向で戦略的社畜。YouTubeでアニメ「ローガイ博士の社会学」を立ち上げました。一流企業に潜伏して、天才と呼ばれる人材を観察してます。