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【社畜閲覧注意】NETFLIXの年収も文化も色々とヤバすぎるという話【NO RULES】

こんにちは、しいらけいです。今回のテーマはネトフリこと「NETFLIX」。
サービスではなく、企業としてのその異端さを語っていきます。

「世界一、働くのが面白い会社」と聞いてどこを浮かべるだろうか?
GAFAMだろうか?人によって面白いの定義が異なるので何とも言えないが、

僕はNETFLIXがその候補に入ると思う。

次世代GAFAとも、或いはすでにその一角にあるともいわれる
この企業。

ネトフリがいかに他の会社と違うのか
そのポイントを幾つか紹介していきたい。

これ、いわゆる社畜状態で心身ともにブラックな毎日を
送っている人が見たら、発狂する内容かもしれない。

ということで、一応閲覧注意。

読んでも明日からのモチベーションは失わない自信がある人のみ、
この記事をスクロールしていってほしい。

ではさっそく。

圧倒的な給料

いきなりカネの話になるのは身も蓋もないが笑、
NETFLIXは従業員に圧倒的な給料を支払う。

最高の人材をつなぎとめるならば、
市場価値のMAX額+αのお金をためらいなく出す。

殆どの職種は年収1,000万を超えるし、
ことエンジニアやクリエーティブ職は3,000万以上になることも。

待遇の良さが、次の章以降で紹介する文化と
絡み合って「ビジネスマンの楽園」になるのである。

なぜカネが出せるのか。

勿論サービスが鬼のように伸びている、という
資金面の余裕もあるだろうが、そんな話ではない。

その理由は、ネトフリの「能力密度」という考え方にある。

たいていの会社には「凄く優秀な社員」と「まあ普通の社員」、
そして「ダメなヤツ」とがいると思うが、

NETFLIXは一部の上澄み「凄く優秀」層しか求めない。

かつて、ネトフリは120人抱えていた社員を(今より規模が小さい頃の話)、上位80人に減らした経験がある。

するとパフォーマンスがどうなったのか。

人手が足りず、回らないようになってしまったのか?
仲の良い同僚がクビになり、モチベーションが下がったのか?

そんなことはなく、逆に急成長した。

社員のモチベーションが異様に上がり、過酷なシーズンを
圧倒的馬力で乗り切ったという。

その事実には「優秀な人材同士は、お互いをさらに優秀にする」という
学びがあったのだ。

社員同士がお互いから学び合い、刺激し合う相乗効果。
そして、ポテンシャルの低いメンバーのミスをカバーしなくてもよい、
という解放感。

この生々しい学びから、ネトフリは最高の能力をもったメンバー
(ロックスターと例えられる)のみを集めることにした。

ロックスターだけがあつまる伝説の祭典が、24/7毎日くりかえされる職場。

それがネットフリックス。

もう一つ面白い話が、ネトフリは
「他社の引き抜きを受けたら遠慮なく話を聞きに行け」
という文化があるらしい。

そして、そこで提示された給料に上乗せして今後は払う、と。

メンバーの給料=市場価値の上限に設定し、その数字を知るためなら
躊躇いなく他社に社員を取られるリスクを背負う。

社員の価値を市場にゆだねる。

考え方がロックだな。

ネトフリの組織戦略の根本(クリティカルコア)は、
この「ロックスターだけの集団」にあるのは間違いないだろう。

圧倒的なフィードバック

もう一つ、ネトフリの大きな特徴としては
「フィードバック命!」の文化がある。

優秀な社員だけを抱えて、その社員同士でフィードバックを
やりあってるんだからそりゃ成長するよなという話。

じゃあどんなフィードバックの特徴があるのだろう?

360度×実名&コメント式

360度評価、というのは聞いた事があるはず。

上司だけでなく、同僚や部下、自分の周囲の人間が
匿名で5段階評価をする、、といったようなもの。

ネトフリの場合は360度評価ではなく360度フィードバック
採用しているという。

評価や昇進のためではなく、各個人の向上のための
フィードバックなので、別に5段階で評価をつけたりはしない。

その代わり評価者は全て実名かつコメント式で、という特徴がある。

実名?

そうすると、人間関係を悪化させないため、当たり障りのない
コメントしか飛ばないのでは?と思う人もいるかも知れない。

だが、ネットフリックスでは率直にフィードバックを言い合う
文化が出来上がっている。

そのため、部下から上司にも(実名で)平然と厳しいフィードバックが
飛び交うらしい。

  • 自分のチームからのメールの返信が遅く、軽視されているように思う。
    お互いの信頼感が足りないかも知れないと思っている。
  • 自分の中でNOと決め打っている意見を聞く際、聞き流している様子が傍からもよく伝わり、皆のモチベーションを下げる。
  • チーム内の衝突を避けようとしすぎ。

などなど。

これ、よほどの信頼関係と文化とが無ければ、
メチャメチャな空気になるはず。

「アイツそんな事思ってたのかよ」みたいな。

ライブ360

さらにヤバいのは、この360度評価を書面だけでなく
対面でも行うことだ。上司部下を交えて。

自身の部下に直接「オマエの仕切りが悪い、この部分は俺がやった方が上手くいくから任せて欲しい」などと言われたらどうだろう?

しかもほかの部下の前で。

僕なら、泣くだろう。羞恥の末、号泣である。そしてその晩夢に見る。

だが、彼らは平然とやってしまう。

しかも自主的に。

そう、このやり方は別にネトフリ内で義務付けられている訳ではない。

だが、対面×多数の前でのフィードバックは自身のレベルアップに
役立つと社員は信じ、多くの場合自主的に行っているという。

狂気のビジネスアスリートだ。

しかし、フィードバックの文化が当たり前になっている彼らからすれば、
言いたいことも言えない世の中でコソコソやっている僕らの方が
異常なのかもしれない。

圧倒的な情報公開

そんな「ロックスター」で「信頼し合う」文化だからこそ、
ネトフリは機密情報をためらいなくオープンにする。

そもそも、最高経営責任者のリードは
専用オフィスも鍵付きの引き出しがあるデスクを持たない。

オープン前の売上高や国別の状況など、漏れたら株価に影響する
レベルの情報をためらいなく社員にメールで送る。

会社が抱えている最新の戦略的問題も、バンバン社員に共有する。

重要な社員の解雇理由も。

それもこれも、秘密をつくらずに共有し、社員の信頼をあげるため。
そして社員の当事者意識を育てるためだという。

株価に響いたり、悪用したら刑務所行きになる情報が飛び交う会社。

世界中に社員がいるのに。

そんな異常なオープン性も、特徴の一つだろう。

「事業がどのような仕組みで動いているかを説明しないことは、
野球のルールを教えず社員を試合に送り込んでいるのと同じ」

うーん、、僕は『野球のルール』を今の職場でどこまで知っているか、
自信がなくなってきたぞ。

圧倒的な裁量

とくに大手の社員がストレスを抱える要因の一つが、
「複雑な承認プロセス」だと思う。

まず上司に、次に部長に、本部長に、役員に・・

いやうるせえよ。と言いたくなるようなハンコリレーの
スピード感にイライラした経験は、誰もがあるのではないか。

あるいは、「この戦略、絶対にうまくいく」と自分が思っていても、
上司や役員の「NO」の一言で終わったことはないか。

誰もが「迅速な行動はルールで制限されている」と感じた事が
あると思う。僕も沢山ある。

だが、ネトフリで働いていれば、
このストレスに晒されることは確実にないという。

何故なら承認プロセスが無いから。

分散型の意思決定モデルを敷いているのだ。

数十億の戦略だろうと意思決定をするのは各担当者。

転職間もないメンバーは、大きな判断について相談したときに
上司から「え?それ、自分で決めて?(そのために雇ったのよ)」
と言われ戸惑うことも珍しくないそう。

上司は部下の行動をチェックしたり承認する必要はない。

これ、逆に怖くないだろうか。

「え?これ俺決めちゃっていいの?」と。

いいのである。
ネトフリは、大胆なチャレンジを促すために、
「イノベーションサイクル」という枠組みがある。

①反対意見を募る。②まずはミニマムに試してみる。
③賭けに出る。④失敗は公表し、次の学びとする。

だ。

この中で一番謎なのは③だと思う。

結局「賭け」という言葉に集約されて終わりでは?と。

でも実はここに、「末端社員でも大胆に行動できる」秘密が眠っている。

ネトフリは「賭け」という言葉を意図的に使い、社員に
「起業家精神で」物事に取り組ませるという。

起業に賭けはつきもの。だからチャレンジしろと。
失敗することもあるがその場合は④の通り、
周りに公表し次の学びにすればいい。

また、何かのチャレンジに限らず、先に挙げた
「経費」や「休暇」まわりなど、すべてにルールがないという。

国外移動のときに、ファーストクラスをとるかビジネスクラスに乗るかを
きめるのは、各社員(嘘だろ)。

三か月間休暇を取るか決めるのも、各社員。

信じられないが、「社の利益のために」適切な判断ができる
ロックスターたちが集まっているからこそ成り立つのだという。

まとめ:自由と責任の風土の裏に

ここまでを読んで「NETFLIXで働いてみてえ・・」と
思った人も少なくはないと思う。

とくに、日本企業で上司の顔色を窺いながら
意味不明な指示を咀嚼している方であれば、
キラキラした話ばかりに感じたのでは。

だがそこは、一部の選ばれた者のみの楽園。

「超優秀」だけが残り、「優秀」以下は
タップリの退職金とともに会社を去ることになるという。

では、そんな「自由と責任の楽園」に残れるのは
どんなメンバーなのか。

次の質問に対する上司の答えが、「絶対にYES」になる者だという。

『私が退社を考えているとしたら、熱心に引き止めますか?』

今の領域においてはそれくらいの人材である、という自負があれば、
是非チャレンジしてみては如何だろう。

最後に、ここで紹介した話は、「NO RULES」という
NETFLIXの文化をテーマにした本を参照にしている。

圧倒的文化がどのように形成されたのかが、
最高経営責任者のリードと第三者のエリン・メイヤー教授によって
明確に書かれているため、是非読んでみて欲しい!

小説よりも面白いから。

それでは今日はこの辺で。

YouTubeチャンネルで解説系アニメも楽しく作っているので、
よければ遊びにきてください!

ABOUT ME
しいらけい
パラキャリ志向で戦略的社畜。YouTubeでアニメ「ローガイ博士の社会学」を立ち上げました。一流企業に潜伏して、天才と呼ばれる人材を観察してます。