仕事

後輩指導が難しい?―部下のモチベーションを上げ、育てる4つのコツとは

こんにちは、コンパイダーです。この記事は、一流企業の中で見出した
「効果的な指導&チームマネジメントのポイント」を書いています。

個人の能力は微妙でも、「チームや後輩を伸ばせる」というだけで
不相応なほど評価されるケースがある。

自分でいうのもなんだが、僕がその典型だ。

ソロプレイヤーとしては平凡。

ただ、「指導のツボ」を意識し続けることで「チームビルディング出来る奴」
と見なされ、本来あり得ないチャンスを貰って来た。

その逆もあり、個人としては優秀なのに教え下手なために、
過小評価・・・いわゆる「無能上司」扱いされている人たちも沢山見て来た。

この記事で書いたように、人は戦う場所次第で別人になるのだ。

今回は経験を活かして、自身が意識している
「指導におけるNGポイント」4点と、その改善案を共有していく。

また、「後輩が優秀すぎて困っている」ケースにも触れる。

ポイント自体はありきたりなことだが、共有したいのは
「何故そのポイントが大切なのか」の考え方なので、
そこを重点的に見て貰えればと思う。

後輩指導の威力は絶大

年次が若いうちはソロプレイの能力が高ければ評価もされる。

しかし、年次を重ねるにつれミッションは「チームの成果最大化」
になる訳で、スキル・経験が下の人たちを育てていく能力が
イコールで「仕事ができるか」の判断材料になってきたりする。

自分がプレイヤーとして動くのではなく、
人を通して成果を挙げていく力。

それを磨いていくと、上記理由から評価されるだけでなく
自分自身の働き方もラクになる。

抱え込む必要がなくなり、自分がコミットすべき領域に集中できる。

オマケに人間関係も円滑になる。

「後輩指導」というと小さく聞こえるが、「社の資産形成」
「環境形成」と言い換えると、いかに大切な要素かわかるだろう。

だから、コレが出来た方がハッピーに働けるのだ

指導のNGポイントと改善策

ここからは、まず「これをやってはアカン・・・」
というダメな例を挙げつつ、

都度都度その改善方法を見ていきたい。

基本、後輩指導のコツは「NG例」と表裏一体なので、
「ダメなケースがなぜダメか」と併せて理解していくといいと思う。

NG①:端的な指示ばかりして終わる

「コレをやっておいて。手順はこうだぜ!」

このような具体作業ベースの指示。

一見、「え?これ何が悪いの?」と思った方もいるかもしれない。
「どこが無能!?」と。

確かに、端的な指示は「その作業を乗り切る」という一点だけを
考えると良いケースもある。また、抽象度の高い指示の方がいいと
言いたい訳でもない。

ここでいうNGポイントは、端的な「指示ばかり」をすることだ。

作業ベースに閉じた指示ばかりしていると、部下の
「自走能力」が育たなくなる危険性がある。

「どうやるか」はすぐに分かっても、
「何のためにやるか?」の理解が浅いままだから。

つまり、「その作業をやる」べきだと明確になっている状態では
機械的に動けるものの、「その作業をやるべきかどうか」という
上流の判断をする力が育たない。

すると、自分で仕事を進められるようにならないため、
いつまでたっても応用が利かず、上司が
レールを敷く必要が出てくる。

相手をロボットとかSiriみたいに扱うやり方ね。

改善策

ポイントは2点。

作業手順に閉じて教えるのではなく、
①その作業が必要な理由と②その作業を通じて得られるスキル
を教えて、作業のウラを理解をさせよう。

①は「その作業の先にどんな工程があり、
最終的にどうなるのか」のフローをきちんと教えてあげるという事。

「なぜ必要なのか?」あるいは、裏をかえして
「その作業が出来ないとどんなことが起こるリスクがあるのか」
かみ砕いて説明してあげよう。

理由は先ほど説明した通りで、仕事の上流部分から
臨機応変に動けるようにさせるためである。

大企業の中でも、本当に仕事がデキるなと思う人は、
タスクの上流にカットインしてバンバンさばいていく。

そのような超効率的な働き方がいずれ出来るように、
すこし長い目で見てあげるといいと思う。

デキる人のタスク処理についてはコチラにジックリ書いてます!

この考え方をもつと、基礎的な業務を部下が怠ったときなどの
コミュニケーションにも変化が生まれる。

「やる気あるの?」という姿勢への叱責ではなく
「重要性分かってる?」という認識の確認をすることで、
より本質を抑えた指導ができるのだ。

②については、重視している人が少ない印象だが非常に大切。

単純作業の中にも学びがある筈で、作業を通じて
「何の能力が育つのか」を自分なりに解釈して伝えよう。

すると単純な作業でも、その中からの学びとゴールとを見据えて、
頭を使って取り組むようになる。

理解を深めることの大切さは、例えばこの記事を読む作業にも言えることで、
「背景説明は大切!」という結論のみに着目してしまうと
「確かにね。ま、当たり前じゃん」で終わる

そうではなく、「何故大事なのか」までを整理して落とし込むことで、
「自走させるための理解とモチベーションとを与える事がカギなのか!」という
一段階深い理解まで自分のモノにできるはず。

そうすると、あなたはきっとこの記事に書かれていない事でも、

「『理解』か『モチベーション』に落とし込むことはできているか?」

という視点で自分の指導を振り返りはじめる。

一度理解してしまえば、様々な場面で応用させることが出来るはずだ。

NG②:事象に対して怒りを見せる

「いよっしゃぁぁ!!!!」

プラスの感情を見せる人は魅力的だ。

嬉しい、楽しい、そうした部分であれば、チームを明るくするのに
必要な要素であるため存分に見せつけるべきだ。

が、「怒り」は扱いを慎重にしなくてはいけない。

特に、後輩の失敗や軽率な行動に対して、
「それが起きてしまった」という
事象そのものを対象に怒るのは望ましくない。

相手が委縮する上に学ばなくなるからだ。

報告や相談、質問もしにくくなり、
業務が円滑に進まなくなる可能性がある。

頭ごなしに怒るクセがある人は、下記の改善案を意識した方がいい。

「おい、頭ごなしに怒るな、ってそんなの当たり前だろ?」

流石にそれは分かってるよ、という人もいるだろう。

でも、あなたは下記の「ではどうすればいいのか?」を、
認識しながら冷静に自分をコントロールできているだろうか?

改善策

まずは、「起きたことそのもの」に目を向けるのをやめて
要因」を探し、どうすれば解決できるかに意識を集中しよう。

要因を探すにあたって、相手と話し合った方がより前進できる。
知識不足なのか、確認不足なのか、報告を怠ったのか。

何度も注意していることであれば、相手の意識そのものに
要因がある可能性もある。

それが何なのかが分かったら、「要因をなくすためにどうすればいいか」
という打ち手ベースの話に頭を切り替えよう。

特に相手のスキルに問題がある場合などは、「感情的に怒る」のではなく
スキルの穴を埋める指導で解決できる。

要因を掘っていった結果、「相手の意識に問題がある」と分かった時には
キチンとそこに言及すべき。

ただし、初犯であれば「怒る」のではなく「叱る」。時にはヒアリングもする。

そうして、「事象」を「要因」に分解していったときに、「意識の問題」が
何度も浮かび上がるようであれば、「怒る」のもアリ。

ただし、「怒る」ことですら「要因解決の打ち手」の一つという意識
持たないと、ただ関係が険悪になって終わってしまう。

また、上機嫌は上司の義務であるということを常に覚えておこう。

「上機嫌の大切さ」については、YouTubeにてストーリーにしています
https://www.youtube.com/watch?v=5RilxG8fMQg&t=93s

NG③:リスクを恐れて抱え込む

「まだ早いから、俺がやっておくね」

慣れない相手に裁量を与え、任せるにはかなり勇気が必要だったりする。

万が一失敗した時に巻き取るのは相応の工数がかかるからだ。

となると、結局最初から最後まで自分がベタ付きしてテコ入れを
することになる。

そうすると作業がいつまで経っても自分の手を離れず、
部下の判断力も伸びないことになる。

任せるのもスキルのうちなのに・・

改善策

前提として「ミス・トラブルは発生するもの」という
意識がないと、裁量権含めて与える事は難しい。

「トラブル発生」⇒「要因と対策を考えさせる」までを
一つのパッケージ、前提として考えて仕事を振ろう。

そのためには、自分自身が①顧客関係値と②案件優先度とから、
「任せられそうな案件」のアンテナを立てておく必要がある。

例えば顧客関係値が良好な案件(自分が顧客を握っている案件)で、
かつ「期余り予算が発生した」状況で任せたり、注力度が低いものを
切り分けて渡していくべきだ。

また進行の際に、あらかじめ進め方の設計を作らせて
フィードバックすることで、根本的な間違いは防ぐことが出来る。

資料作成を任せるときは

どうしても該当案件が無ければ、資料作成など限られた領域を
任せるに留まってしまうかもしれない。

その場合は、レイアウトやトンマナばかり指摘するのではなく、
「事実をまとめるのみでなく示唆をだせているか?」
「ちゃんと主張・論点・根拠に切り分けられているか?」
といった考え方の指導してあげることが大切。

仮にExcelベースのデータ抽出でも同様で、
「そこから何を読み取ったか」をアウトプットさせるなど、
頭の中をしっかり洗うことで主体性が育つ。

NG④:弱みを見せまいと虚勢を張る

「まぁ全部任せておけって!余裕だから」

「これの何が悪いんだよ」という方もいるかも知れない。

確かに、「何でも知っていて仕事を捌けるタフな人」という
イメージは尊敬を集める。

舐められないためにも、半ば虚勢を張りながら「頼れる先輩」を
目指そうとする気持ちはよくわかる。

ただ、そのあまりに「知ったかぶり」をしているのが見透かされると
最悪で、途端に「無能認定」されるリスクが生じる。

何より、相手の思考やスキルを伸ばしてあげるという
指導の本質からかけ離れてしまう。

頼れる先輩と、自分を大きく見せる先輩というのは別物なのだ。

見せ方ばかり気にする時点で小物確定

改善策

まず、自分の理解が甘い部分はしっかり認めよう。

「申し訳ないけど、そこは調べる必要がある」と。

その一言だけで、相手に誤った情報を与えずに済むし、
誠実さも感じ取れるもの。

逆に、適度に相手に聞いてみる、というこまめな頼り方は効果的だ。

最終判断を下させるのではなく、一案アイデアを貰うとか、
パッと出てこない知識に対して後輩に答えを聞いてみるとか。

そうして、軽く協力して貰ったあとは、
そのことを皆の前で誉める。

「こいつにもこれは手伝って貰ったんだ」と。

そのような「プチ頼り」を上司が重ねると、それは部下にとって
「自分も力になっているのだ」という「プチ成功体験」になり、
やがていい意味での自信を持ってくる。

「もっとコミットしたいわ!」と感じて、
少しずつ自発的に意見を言ったり、動き始める。
自己主張もはじめる。

時にはあえて自分を小さく見せ、結果として後輩を
大きく見せることも大切。

なんせこの姿勢は、「ヒトデ型組織」を作っていくのに非常に有効だ。

「ヒトデはクモより何故強い?」という本をご存じだろうか。

いかにトップダウン型の指令系統が敷かれた組織が弱く、
個人最適された自走型組織が強いのか、が書かれた社会科学の本だ。

端的に言うと、
「なんで2ちゃんねるとかウィキペディアって発展してるの?」
って話だ。

僕はこの本で学んだエッセンスを後輩指導やチームビルディングに
活かしている。

勿論会社なので、無秩序もいけないが、「個人最適」「自発」の要素がないと
チームとしてスケールがとても小さく弱いものになる。

わかりやすい例を交えながらも「強いチームとは?」が論じられているので、
仕事に活かせる実用書を探しているならばオススメの一冊だ。

この本が重すぎる、、という場合は、
もっとライトで分かりやすい下記の本を読むことがオススメ。

いかに自立したチームが強いか、
指示でのコントロールが人を疲弊させるかが、分かるはず。

後輩が優秀すぎて困っているケースは

時々あるのが、「後輩が優秀すぎる」というケース。

大前提、このケースについては「自分を優秀な先輩だと思わせたい」
というプライドはソッコーで捨てるべきだ。

先ほども書いた通りで、自分を大きく見せることほど
無能感漂わせる行為はない。チームのためにもならない。

これは指導方法を考える、というよりは
「どこから任せていこうか?」「どんなパートナーにしようか?」
の視点が大切。

細かい知識面については当然、自分の方が上だと思うので
そこは随時教えてあげつつも、「考え方」「分析」など
汎用的な部分から、意見を聞くなどして頼っていこう。

また、頼り方や頼る領域については、

相手が「天才」タイプなのか「秀才」タイプなのかを
見極める必要がある

それを知ることで、後輩がどの領域や段階でイキイキする人なのか?
を把握して適切な活かし方ができるからだ。

それについてはぜひこの記事を読んで欲しい。

まとめ

  • 端的な指示で終わらず、作業の背景やゴールまでを説明して理解させる
  • 相手のミスそのものに怒るのではなく、要因と打ち手に分解して考える
  • 仕事は「トラブル発生」⇒「学び」までを前提として、回収できるものを振る
  • 自分をあえて小さく見せ、部下に「プチ成功体験」を積ませる

また、これらを日頃から意識するだけでなく、「育成ロードマップ」
作成して中長期的な計画に落とし込むと非常に効果的。

各月ごとの目標を決め、その到達状況を毎月マンツーマンで振り返るのである。
会社としてこのルールを敷いているケースも多いだろう。

スキル/マインド両面で順当に成長してるかを共有することで、
相手の課題意識やモチベーションが育っていく。

これらの話は、「応用」的なことも含まれているが、

そもそも教え方の基礎が不安、全く分からない、という方は
まず下記の本を読みこんだ方がいいと思う。

「大人」への教え方の本質が詰まっている、初心者必読書になっている。

勿論Amazonでも非常に高い評価。

さて。

偉そうに言い続けて来たが、最初にも述べた通り、僕はプレイヤーとしては平凡だ。

むしろ頭が悪いし、自信もあまりない。

ただし、「バカである」ことを逆に武器にして
「教えるスキル」「頼るスキル」は伸ばしてきた。

そして、その結果、個のプレイヤーとしての弱さを
カバーできているとは思う。

それくらいに「教える」スキルは威力が大きい。

ちなみに、僕のプレイヤー時代のヒドイ話は下記に詳しく書いているので、
自信が無い方は是非読んで欲しい。

本記事が教え方、育て方に悩む方の参考になればとても嬉しいです。

※その他のオススメ記事は下記。

▼AI×ビッグデータで適職診断するアプリで、経歴を盛りまくったら・・

▼市場価値の高い人材‐「T型・Π型・H型・△型」について

YouTubeともども、引き続きよろしくお願いします。

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しいらけい
パラキャリ志向で戦略的社畜。YouTubeでアニメ「ローガイ博士の社会学」を立ち上げました。一流企業に潜伏して、天才と呼ばれる人材を観察してます。