これは、元はネオヒルズ族として世間を賑わせ、現在は投資家として成功している
与沢翼氏の著書「ブチ抜く力」について紹介する記事だ。
この「ブチ抜く力」は、実務に活かす教科書としては
様々なヒントが詰まった良書だ。
Amazonの評価は、5段階中4.7。
レビュー数は70(2019/4月現在)。
ぶち抜けた高評価である。
「え?与沢翼の本・・?」
六本木ヒルズで超高級車を乗り回し、美女をはべらせ「秒速で1億!」とか
言っていたころの与沢翼氏だけをイメージしている人は
もしかするとこう思うかもしれない。
「なんか胡散臭い本?」と。
だが、この本はあの頃のネオヒルズ族与沢氏が書いたものではない。
会社が倒産し、様々なものを失い、死ぬ気で投資を勉強してドン底から這った
ネオ与沢氏が書いたものだ。
自分の生き方を見直し、ストイックになり、守るべきものも持った
与沢氏が書いたものだ。
その内容の確かさは、この記事を通じて分かって貰える自信がある。
ということで、「自己啓発書の読み方とは?」みたいな少し大きな話から入って、
「この本の内容は?」「何故この本がオススメか?」
「この本からどんなことが得られるか」について述べていきたい。
自己啓発書の読み方
まず、「そもそも自己啓発書ってどう読めばいいの?」について
持論を書いてから、具体的な内容に入っていきたい。
しばしお付き合いしてほしい(けど飛ばしてもOK)。
早速だが、世の中には、2通りの自己啓発書の読み方がある。
一つ目は、「物語のように読むこと」。
成功者の逆境や挑戦、哲学をあたかも小説などのように楽しみつつ、
モチベーションを上げていく読み方。
もう一つは、「教科書のように読むこと」。
汎用的に使える思考方法を掘り出し、実務に活かそうとする読み方。
僕は学生時代までは、自己啓発書を物語的に読んでいた。
起業家、エリートビジネスマン、著名人の成功体験に夢中になっては、
「よし、僕も・・」とやる気を出していた。
ただ、この読み方には大きな欠点がある。
具体的な行動に繋がらないことだ。
読んだ後は何とも言えぬモチベーションに満ち満ちているが、
そのあと具体的に自分の行動が何か変わったかと言われると
特に思い当たらない。
その虚しさに気付き、僕は読むスタイルを「教科書的」なものに変えた。
何か学びを得て、具体的な行動ベースに落とし込めるか?を
念頭に置き、一冊の中から宝探しをする気持ちで読む。
そして、読み終わったらひとつでも学びを行動ベースに落とし込み、実行する。
そんな読み方に変えた。
どちらが有益かは、身をもって感じている。
間違いなく「教科書的な読み方」だ。
そんなわけで、「教科書的な読み=正」と定義した上で、
この本の面白さを伝えていくつもりはあまりない。
ここからは本書を、「いかに面白いか」ではなく
「いかに使えるか」という視点で紹介していきたい。
「ブチ抜く力」とは
「使い方」に先立って、本書の説明をかるーくすると、
これは与沢翼氏が持つ「成功法則」について述べられた本。
ジャンルとしてはビジネス書、自己啓発書の類。
これまでの人生の遍歴と、「投資」「ダイエット」を軸に、
突出した成果を出すために何を考えてどのように動いたのか、
その頭の中が記されている。
ただの精神論、自身のモットーにとどまらず、
「どんなステップで思考していったのか」の実例を交えて
解説してくれているのがポイント。
もちろん、突き抜けすぎているフシが多々あるので、
何から何までを真似するのは常人には無理な部分もあるが・・
以下からは、より具体的に本の中身にふれていく。
「ブチ抜く力」がオススメな理由
では、数多の自己啓発書の中で、なぜこの「ブチ抜く力」がオススメなのか。
理由は二つあるが、どちらも与沢翼氏本人がもつ素養によるものだ。
一つ目の理由が、与沢氏が複数の分野で突出した結果を出していること。
アパレル、情報商材、投資、果てはダイエットまで、ジャンルを選ばず、
「なんとなく」でやっていたら到達しえない成果を上げている。
だからこそ、内容に信憑性がある。
本書は、文末でよく「私は~と確信している」という表現が使用されているのだが、
ちゃんと複数領域で結果を出しているという自信がこのような書き方になるのだろう。
「これはあくまで私個人のスタンスですよ」といった
セーフティネットを張った書き方よりもずっと説得力がある。
二つ目の理由が、計算ずくで、かつ個人で結果を出していること。
与沢氏は「投資」「ダイエット」といずれも個人プレイで
非常識な結果を手繰り寄せている。
そのプロセスは、本を読めばわかるのだが、才能・運・人脈といった
要素は少なく、覚悟と試行錯誤が殆どの要素を占めている。
※それが出来るのが才能かもしれないが。
この「覚悟と試行錯誤」は、方法さえ固めればさまざまな領域でも
使いまわせるものなので、汎用スキルとしての思考力を得るには
非常に良い教材だと考えている。
そう、この「汎用性ある思考」を、濃縮して提示してくれていることが
ぶち抜けポイントのキモだ。
汎用性があるからこそ、投資家やダイエッターでもない
一介のサラリーマンでも参考にできる部分が多い。
「ブチ抜く力」の使い方
いよいよ「この本の使い方について」の話に入る。
目的はひとつ。
再現性ある思考を学び、使えるようになること。
具体的なことを書きすぎてはネタバレになるが、
たとえば下記のような効用がある。
一点突破の仕事術を学べる
この本のテーマでもあるので、このようにまとめてしまうと
ザックリしすぎているかもしれないが、
行動指針を絞って、一点突破・最短フルコミットで
やりきる、という仕事の進め方を学べる。
それをサラリーマンが実務に活かすとなると、例えばこんなケース。
資料をパワポで作成することになったときの初日の動き出し。
いつもなら、冒頭のキーメッセージと全体の構想がまとまった時点で
満足してしまうとする。それすらしないかもしれない。
「ここまで1日でやって、あとはスケジュール引きつつ具体化していけば
余裕をもって終わるだろう」、と高をくくる。
ただ、この本によってスタートダッシュのポイントを学べば、
キーメッセージ選定と構想にとどまらず、初日で全ての空スライド
(記載内容をテキストベースでスライドにメモったもの)作成と、
作成スケジュールまで引き終えるだろう。
このロケットスタートにより、通常とは比べ物にならないくらい
余裕をもって進行し、かつディテールにもこだわることが出来るはず。
このような働き方ブチ抜き改革は、この本を読めば出来る。
僕は実際に、いつもならヌルヌルやっていたであろう仕事も
初動でほぼ完成させることができた。
具体的な思考ステップを本書で提示してくれているからこそである。
投資思考×一石三鳥思考を学べる
また、他にも「投資思考×一石三鳥思考」は盗める。
「将来、どのような未来が来るか」を予測し、
「今の選択がその未来においてどのようなメリットをもたらすか?」を考え(投資思考)、
「他にメリットはないか」を徹底的に考える(一石三鳥思考)。
そうすることで、一つの選択があとあと何倍にもなって
自身にかえってくる・・という状況をつくる。
与沢氏の言動、思考には一貫してこの「投資」の要素がある。
それを盗むと、たとえば「どの仕事(依頼)を受けるか?」の判断も
変わってくるだろう。
いつもなら、目先の金額の大小や、仕事の抱え込み状況から
すぐに断ることもあるかもしれない。
ただし、「案件を受けることで得られるメリットは、どんなものがあるか」を
半年後、1年後の目線で洗い出すことで、違った結論が見える可能性もある。
規模が今後伸びてくる、新しい知見が手に入る、社内外のコネクションができる、、。
それらの中長期メリットが複数見えたときに、思い切って引き受け、
それらの複数メリットをすべて狙いに行く。
・・と、このような物事を広い視野で判断する術も得られるだろう。
与沢翼氏のブチ抜けたTwitter
ちなみに、与沢翼氏はTwitterでも濃い発信を繰り返しているので、
興味があればフォローしてみるといいだろう。
実用的な話から思考のOS部分まで、参考にできることが
沢山あるだろう。
修羅場を潜ってきたからか、アツい発言も多い。
人間味ある部分が見れるのはいいよね。
ただ、本当にブチ抜けているのは下劣なツイートな気もする。
言っていることはさっぱりわからんが、
最高だとは思う。
まとめ
本書は、「実務に使える」啓発書だという事に尽きる。
ただし、ここで取り上げた事例は、自分なりに内容をかみ砕き、実務に落としたものだ。
「あなたの仕事に活かすならこうだ」という示唆が直接書かれている
訳ではないので、頭を使わずに、なんとなく読んでいただけでは
威力は半減する。
「直接書いてあって、本を読むだけで得られるものは?」を
知りたい方のために、本文に書いてあることをそのまま読めば参考にできるもの
をいくつか挙げておく。
- 「本質=センターピン」の見つけ方の思考ステップ
- ブチ抜くための環境のつくり方
- 投資における考え方
- ダイエッターとしての学び、事例
etc・・・
これらは、そのまま本を読むだけで知ることが出来る。
※ただ、間違いなく考えながら読んだ方がいい。
受け取り方、着目点は読み手によって違うと思うが、
「行動が変わる」本こそが有益なものである。
その「行動に移す」という点において使えるエッセンスが多いからこそ、
この本はブチ抜けて高評価なのだろう。
▼そう高くない価格帯で、様々な「汎用思考」を得たい方は、
ぜひ手に取ってみてほしい。
それでは、引き続き宜しくお願いします。