就活

「全能なサブリーダー症候群」によって面接で地獄を見た話

こんにちは、コンパイダーです。
この記事は、天狗になって面接でフルボッコにされた話です。

就活の自己分析で「長所探し」を始めると、大なり小なり「盛り」という
劇薬が混入してくる。

今回は、その劇薬のせいでボコボコになった話である。

この失敗談を参考にして、同じ過ちが繰り返されるのを
防げれば幸いだ。

就職活動における序盤では誰しも、過去の経験を洗い出しながら
「自分の強みをどうピックアップするか? 」に頭を悩ませるはずだ。

頭を悩ませるのはいいのだが、やがて「何がなんでも自分の長所を掘り出してやろう」
とするアンテナがピンピンと立ってくる。

「ここが成功したのって、僕の発想が活きたからじゃないか?」
「ここ僕の長所や」

「これ、おれがまとめ上げて達成したフシあるよね?」
「ここも僕の長所や!」

 すると間も無くこの邪な考えに行き着く。 

「僕・・、長所だらけの人や!!」 

「自分の行動が一因となったかもしれない」ところを拡大解釈した結果、
「これは僕のおかげだ」に変化するのだ。

記憶の中の自分が勝手にサクセスストーリーを描いている。

「全能なサブリーダー症候群」について

僕も就活生のころ、漏れなくこの「盛り」の魔力に取り憑かれた。

過去の体験をこねくり回して、その裏側を「イケてる理想の自分」で
補完してしまった。

あの時の僕がこねくり回していたのは「チーム運営のエピソード」である。 

学生時代、あるスポーツ団体の運営に携わっており、その中で僕は
ハブ的ポジションを担っていた。

分かりやすく言うとサブリーダー、統括のことだ。

リーダーから末端まで色々なポジションとコミュニケーションを取れる立場になる。

就活においてこの「サブリーダー」という存在は香ばしいことこの上ないのだが、
間違いなく自分のチームへの貢献度をあまくカウントしやすいという特性を持っている。

様々なセクションと連携できる分、仕事の幅が広く、
必然的にコミットしている量も増える。

すると意識的にも無意識的にも、「僕や!」「これも僕や!」を繰り替えして、
自分の貢献度が少しずつアップしていってしまうのだ。

このことがいわゆる「全能なサブリーダー症候群」である。

語れるエピソードが多くなるというメリットもあるし、
本当に有能な人が語るとめちゃくちゃ破壊力あるアピールができる領域なのだが、
中途半端な人が盛ると胡散臭さが3倍になるというリスクを背負っている。

この症候群に陥ったのも、僕が正しい自己分析をせずに、
「見せたい自分は何か?」をスタートにしてしまったからだ。

社会人のいまに思うが、本当にこの「見せたい自分」からスタートして
無理やりつじつまを合わせに行く自己分析は危険極まりない。

まあ、それで就活がうまくいく人がいるのも確かではあるが・・

とにかくセオリーを無視して「全能なサブリーダー症候群」に走り始めた僕は、
自己分析を通じてイケイケの自分像を見つけ出した。

「様々な人の立場を汲み取りつつ、先陣を切ってチームを良い方に導く、
熱さと柔軟性を持ち合わせたリーダー」

という大虚像だ。

 そもそもお前リーダーじゃないし。

今思うと背筋が凍るが、当時の僕はそれが自分なんじゃないのかと思っていた。 
やっと掘り当てた本当の自分だと。

「本当の自分」を面接でぶつけた結果は ・・


自信満々で「自己分析とPRが完成した」と思い込んだ僕は、それを全力で就活にぶつけた。 


相手は、誰もが知っているベンチャー気質の大手企業。 僕は説いた。

いかに自分が全体を見通し、隅々までコミットし、新しい試みをして、
チームを大きくしていったのかを。 

実際、大会の記録含めて僕がいる間にチームが大きくなったのは確かだし、
もしかするとそこの一因に僕があったかも知れない。 

ただ僕は勘違いしていた。 

その成功の根本には自分がいたと。

そして、そこに水をぶっかけてくれたのは、 その企業の面接官の一言。

 
「ふーーん。じゃあ、その成功は、全部〇〇君のおかげなんだ」 

そう冷たい目で言われて、その言葉のウラを汲み取った僕は凍りついた。

意訳すると「あからさまに盛ってくれてるけど、キミ自覚ある?」だから。 
そこからはキツかった… 


「じゃあ、その時こうしたっていうけどこんなやり方もあったよね?それを選んだのって何で?」 
「その考えってあんまりオーソドックスじゃないと思うんだけど、どんなプロセスで至ったの?」 

グヘグヘ。

説得力ある戻しができるわけもなく。

なんとか答えていた気がするけれど、あんまりよく覚えてない。

だって全部が全部僕がやったわけじゃないもの・・。


僕も多少コミットしたかもしれないけど、その裏にはもっと
汗をかいて頭を絞ってた人がいるもの。

その考えの深さなんて、付け焼き刃で代弁出来るはずない。

「以上となります、有難うございました」

面接官の終わりのその一言が、ドクターストップのように思えた。

これが初めての、「通じない面接」経験である。

ボコボコになった帰り道、冷静に考えて気付いた。


僕がやっていたのは、自分の深堀なんかじゃなくて、虚像を作っていたのに過ぎないと。
さながら、かの有名な綺麗なジャイアンの如き不自然な虚像。


表面を整えても、不自然さ隠せてねーぞと。 
お前、美形ぶってるけどベースがジャイアンだよね?と。 

  実力を伴わない盛りは、見透かされる。理屈抜きに不自然さが滲み出てしまう。 

これから就活を迎える人へ

これから就活を迎える人たちにわかって欲しい。

あなたが話していることが、ナチュラルかどうかって透けて見えてしまうことを。 
相手は百戦錬磨の社会人なことを。 


仮にあなたが「全能なサブリーダー症候群」に陥っているとしたら、
一回考え直した方がいい。

多少盛るのは構わないが、等身大の自分を外れない方がいい。 

盛りへの欲求が押し寄せてきたら、今一度自分に問いかけましょう。

「お前はいまジャイアンなのか?
それとも綺麗なジャイアンなのか?」

でも自己分析のやり方なんてよくわからないし。。
という方は、こちらの記事をどうぞ。

昔の自分に読ませたかった自己分析の方法①-価値観編

それでは、勤務先のYouTubeともども引き続き宜しくお願いします。

ABOUT ME
しいらけい
パラキャリ志向で戦略的社畜。YouTubeでアニメ「ローガイ博士の社会学」を立ち上げました。一流企業に潜伏して、天才と呼ばれる人材を観察してます。