書籍

完璧超人・前田裕二氏「メモの魔力」への、イケてるレビューを見つけた話

こんにちは、コンパイダーです。
これは、「メモの魔力」の凄さと、その本への
「イケてる低評価レビュー」についての記事です。

今、世間には前田旋風が吹き荒れている。

ここでいう前田とは、元カープ・現ドジャースのワインドアップ右腕
マエケンのことではない。

Showroom前田裕二社長のことだ。

若くして、日本の実業家の中でも相当な影響力をもつ
一人となったことは疑いようがない事実。

前田氏は、優秀だ。

DNAの南場社長に惚れこまれたにも関わらずUBS証券に入社し、
ニューヨークで圧倒的な実績を叩き出した挙句Showroomを作り上げた。

前田氏は、ナイスガイだ。

細身長身でイヤミなくキマる、さわやかな男だ。

一体全体どうなっちまってるんだ?

そう思いながら、気付くと僕は祈るような気持ちで
一冊の本を手にしていた。

それが、前田氏の著書

「メモの魔力」だ。

ここまでくると、何かしらのマイナスが無いと不安になる。

僕は、彼の渾身の著書をコッキコキにコキ下ろすことで、
自己納得を得ようとしていた。

・・・が、

残念ながら、

前田氏の著書は、使える本であった。

僕には否定することなどできなかった。

メモの魔力とは

メモの魔力とは、前作「人生の勝算」に次ぐ、
前田氏の二冊目の著書である。

この本は、一言でいうと、「メモること」で人生を豊かにする方法が書かれている。

メモる思考が何を生みだすか、具体的にどんなことをすべきか、
を懇切丁寧に書いた指南書だ。

2018年12月25日に登場してから、その翌月には
ビジネス書の売り上げランキング1位をさらってしまった。
登場日がこれまたニクイね。

ただ、「メモの魔力」の内容について細かく説明するのは、
この記事の趣旨ではない。

この本のレビュー記事は、宇宙にある
おとめ座超銀河団に属する星の数ほどあふれていると思うので、
ココでは割愛しておく。

http://netgeek.biz/archives/38272

だが一応、この本のスゴさは分かって貰いたいので、
念のためTwitter上の反応をまとめておこう。

https://twitter.com/_matsugechan/status/1143070260762775552

https://twitter.com/yukooooon1/status/1142474330720235520

わかるだろうか、普通の自己啓発書と違うのが。

「モチベ―ション上がった!」「面白かった」とかっていう
感想じゃなくて、

みんな具体的な行動に落とし込んでいるのだ。

これこそが、僕がこの本を否定できない理由。

以前に与沢翼氏の「ブチ抜く力」の感想を殴り書いたときにも
同じようなことを言ったが(下記記事)、

与沢翼著「ブチ抜く力」がビジネス書としてブチ抜けて高評価な理由|いつでも低速PDCA

優秀な本は、人に行動をもたらす。

この「メモの魔力」も例にもれず、人を動かす本になっている。

僕だってこれ読んで、インプット/アウトプットの方法とか改善したもの。

カスブロガー風情がコキ下ろせる本ではなかった。

メモの魔力への「イケてる低評価」

ビジネス書界のアイドルとなった「メモの魔力」の
人気はとどまらない。

自己分析のテクニックも学べるので、就活界隈にも
文脈をひろげたりして、ますます求められるんだろう。

TwitterだけでなくAmazonのレビューものぞいてみたが、

安定の★4超え。

レビュー数が248件もあって★5が60%を占めているのだから脱帽だ。

すげえなぁ

・・と、

思いながら、何の気なしに感想を見ていたのだが、

一つ、やけに目立つ低評価レビューを見つけた。

Amazonレビューより

何が目立つのか?

それは、★1つという極端な低評価レビューにしては珍しく、
「参考になった」の数がやたらに多いのだ。

その数、2,382件。

普通、この手のネガレビューって無視されるのに。
しかも相手はあの前田サンだぞ?

その理由は、この「マジカナ」氏のレビューを読んでよくわかった。

ちゃんと読みこんだ上で、理論をもって批判をしているのだ。

抜粋して引用させてもらうと、こんな感じ。

まず紹介されているメモの基本的な考えですが、本の中では
「ファクト->抽象化->転用」が重要と書かれています。
要するに、まず事実(ファクト)をメモして、次にその事実を一般的な概念に変換して(抽象化)して、最後にそれを異なる分野に応用(転用)するというものです。
この考え方自体はビジネスマンからしたら常日頃使っている考え方です。また「創造の方法学」という本でも詳細にこの考え方について解説されています。
なのでこの本のオリジナリティを出すとしたらこういった考え方をどうやってメモで実現するのか?またその方法でどういった成功体験があるのか?というところを出して欲しいのですが、ここら辺に対しての話が少なすぎると思いました。

マジカナ氏のAmazonレビューより抜粋

ちゃんと本の構成をまとめた上で、「何がダメなのか?」を
述べている。

で、さらにGoodなのが、ちゃんと代案を出していること。

否定したり、ザックリした要望を投げるだけでなく(投げるだけマシではあるのだが)、
代案までキチンと言えているのはステキだ。

もう少し1章全体を使って、メモ魔のエピソードを多く盛り込んだ方がいいと思いました。メモ魔と通常の人との違い、そこから生まれるメリットと結果をしつこいくらいに1章で書いて、読者にメモの効果と重要性を伝えて欲しかったです。
メモの書き方の話はその次だと思います。

マジカナ氏のAmazonレビューより抜粋

僕は以前、キンコン西野氏の「革命のファンファーレ」
感情的にコキ下ろしているレビューを見て悲しくなったことがある。

感情論でハネ除けるまえに、一回消化しようとすればいいのに、、
「イヤだキライ」じゃあ勿体ないよと、そんな記事を思わず書いた。

【キンコン西野が嫌いな人へ】西野亮廣氏の「天才性」をひいきナシで語る|いつでも低速PDCA

この「マジカナ」氏のスタイルは、過去に西野氏へのレビューに見た
感情的な拒否とは違い、正面から批評をする、きわめてフェアなものである。

また、ネガな点ばかり挙げるのではなく、
最後に良い点も書いていることもイケている。

—————–
良いところ
—————–
良くない点ばかり書いてきましたが、自分がこの本が優れていると感じたのは「本の売り方」です。
メモという仕事する中で身近な題材を使い、それに「魔力」というワードをつけて「メモ取り方によってすごいことができるんだぞ。この本にはそれが書かれているんだ。」という印象を持たせて、自分のような会社員に本を買わせてしまう売り方はすごいと思いました。

マジカナ氏のAmazonレビューより抜粋

・・うーん。

皮肉なのか素なのかはわからん。

わからんが、別にズレたことは言ってないんだよなあ・・

冒頭に、すこしでも「完璧超人に一矢報いたるわ」なんていう
カスっぷりを醸した自分を恥じつつ、

世の中で大きく支持される良書に対して、

正攻法で低評価しにいくマジカナ氏に敬意を表す。

まとめ

僕個人の意見をいうと、

マジカナ氏の批判は必ずしも「メモの魔力」の価値を落とすものではないと考えている。

マジカナ氏が、

『抽象⇒転用』なんてのは常識として分かっているから、
それを『メモの習慣』という形に落とし込んだ時ならではの
事例をもっと知りたい・・

というメモのハード面にフォーカスしているのに対して、

前田氏の「メモの魔力」は、

そもそもの目標設定や抽象化、転用という思考のクセ付けが肝心だ、
メモはそれが形になったもので、必ずしもゴールではない・・

というソフト面の話にメインでフォーカスしているからだ。

なのでこの低評価は、ただのニーズやターゲット層のズレにすぎないと思っている。

メモの魔力の功績は、

普段「事象」の記録(つまり一般的なメモ)でとどまっている層、

あるいはそもそもメモをとらない、という
「常日頃の習慣がない」層にしっかり働きかけたことにある。

それらの層に対して、

深ぼる思考がもたらす可能性を教えてあげたこと、

それは「メモ」という身近なもので習得できる、というラッピングをしたこと、

概念の話に逃げず、行動ベースで実行できるように具体化して書いたこと

そして、実際に行動を起こさせたこと。

その影響力こそが価値なので、ちゃんとレアな本だと思う。

まだ読んでない人には、間違いなくオススメできる。

ぐだぐだと書いてきたが、
前田社長もマジカナ氏もサイコーってことで。

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それでは、YouTubeともども、引き続きよろしくお願いします。

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しいらけい
パラキャリ志向で戦略的社畜。YouTubeでアニメ「ローガイ博士の社会学」を立ち上げました。一流企業に潜伏して、天才と呼ばれる人材を観察してます。